一丸東京 代表
平川 日出夫さん
「一丸東京」の事業を教えてください
創業のいきさつを教えてください。
ファッションデザイナーとして35年ほど働いてきましたが、同居する家族が病気になってしまい、自宅でできる仕事に切り替えようとしたのが起業の始まりです。当初はアパレル会社などから委託されて服のデザインをする代行業や、経営困難に陥ったアパレル会社へのコンサルティング業を始めました。その一方で、自分でリスクを取ることを経験しないと、提案にも説得力が出ないという実感もありまして、2018年10月に自分たちでブランドを立ち上げ、実際に運営することとしました。
どのような計画から始まりましたか?
アパレル生産は、生地やボタンなどの購入費用や製造工場への支払い、合同展示会の出展費用など数百万円の資金が必要です。販売して資金を回収できるのも4カ月以上は先になります。自己資金の用意はありましたが、他に借りられたらいいなと思い、ネットで検索して「女性・若者・シニア創業サポート事業」を知りました。当時56歳でシニア枠の年齢条件に合致したので連絡したところ、事業支援をしてくれるイー・マネージ・コンサルティング協同組合さんを紹介いただきました。借入先は世田谷信用金庫さんです。
資金計画の内訳は?
事業計画書の作成で苦労したことは?
初めて事業計画書を作成しましたが、イー・マネージ・コンサルティング協同組合さんから内容を褒められました。理由としては業界でのキャリアが長く、顧客もいて、コンサルの成果も上がっていたこと。すでに合同展への出展も決まり、自宅を事業所にして経費を抑えていたことなどが浮ついたプランには見えなかったのだと思います。信用金庫で手続きを進め、実際に口座に振り込まれたときは嬉しかったですね。
創業後どのような課題や悩みを持ちましたか?
原宿駅前に商業施設ができる計画が持ち上がり、そこに短期間営業するポップアップショップを出すというお話をいただきました。大きなチャンスであり、期待しながら商品を作りましたが、コロナ禍でまったく商品は売れませんでした。在庫はその後、別のポップアップショップからお声がけいただいてなんとか販売することができました。
現在の事業の状況は?
本事業からどのような支援を受けましたか?
アドバイザーから経理上の知識をいただいたりしています。ショップを持ってもいいかなと思い、相談したところ補助金制度を教えていただきました。慎重に検討を進めています。
創業をしようとしている方ヘメッセージをお願いします。
これまでのキャリアを無駄にしないということでしょうか。人によっては退職後の保障も十分ではなく、やむなく別の仕事をやる方も多いと思いますが、キャリアを活かして起業してみるのもひとつの選択肢です。一方で、まだ「女性・若者・シニア創業サポート事業」を知らない方も多いので、もっと知られるようになれば、起業を実現する方も増えてくるのではないかと思います。