東京都

事例紹介

タイガーモブ株式会社 代表
菊地 恵理子さん

菊地 恵理子さん

「タイガーモブ」の事業を教えてください

タイガーモブは「未知の力で、人生を動かす」をミッションに、オンライン・オフライン合わせて世界47カ国400件以上の実践機会を提供する教育系スタートアップです。全国の教育機関・地方自治体・法人・個人を対象に海外研修、インターンシップ、海外プログラムを企画・提供しています。“Learningby Doing(実践による学び)”をコンセプトにしながら、探究学習や実践教育のカリキュラムの提供も含め、これまで約1万人以上の若者を世界に送り出し、当たり前が変わる越境体験を提供しています。

創業のいきさつを教えてください

私は大学時代に留学・インターンシップ、パックパッカーを経験しました。どれもかけがえのない貴重な経験でしたが、その中でも最もキャパシティを超えて人生のターニングポイントになったのが海外インターンでした。日本で生活していると、アイデンティティが揺さぶられる機会はない。自分が何者なのか、なぜこの価値観なのか、今後どうしたいのか、アウェイな環境に身を置くことによって得られることがある。もっとこのような機会を増やそうと思ったのがきっかけです。また、前職では、新卒採用に関わっていましたが、世界の動きに対して日本の企業がなかなか変わらない中、個人を変革していくことが重要だと思い、独立を決意しました。

どのような計画から始まりましたか?

会社の立ち上げについては知識ゼロだったので、とにかく先輩起業家の方々に話を聞いていました。まずは桃太郎理論で「3人メンバーを見つけろ。それが出来なければ起業家としての能力がないからやめたほうがよい」というアドバイスを受け、メンバー探しから始めました。また、当初は、前職で立ち上げた事業を独立させる方法を考えていたので、数字が得意なメンバーに協力してもらい、買取、レベニューシェア、プロフィットシェアなど様々な方法を模索するために数字と向き合っていました。

創業後どのような課題や悩みを持ちましたか?

コロナで売り上げがゼロになったときは、このままでは潰れてしまうという強い危機感をもちました。当時、毎晩のようにメンバー全員でオンライン会議を行い、「変化を待つのではなく、変化を作る側にまわろう」と決めました。そこからは半年で約8つのサービスを立ち上げ、そのうちの一つが事業転換のきっかけにもなっています。会社の存続の危機に関わる大きなピンチでしたが、当時はそれすらも楽しみ、停滞した空気をどう学びやチャンスに変えていました。共に乗り越えてくれたメンバーやパートナー、そしてユーザーの方々に感謝です。

本事業の融資をどのように活用しましたか?

創業前にこの融資制度を知り、城北信用金庫や地域創業アドバイザーの方々のサポートを受けながら、申請書類を丁寧に準備しました。その結果、創業時に1,500万円の融資が決まり、資金面の不安を抱えることなく、安心して事業をスタートさせることができました。資金調達の余裕があることで、目の前の事業に集中できたのは非常に大きなメリットだったと感じています。

本事業からどのような支援を受けましたか?

融資の申請時には、事業計画の作成にとどまらず、独立の進め方やマーケティング戦略、さらには他の助成金の活用方法など、幅広い面でサポートをいただきました。また、融資を受けた後もフォローアップ施策として、事業計画に対する継続的なフィードバックをいただき、より実現可能で実践的なプランへとブラッシュアップすることができました。さらに、事業の成長を支えるさまざまな方をご紹介いただき、ネットワークの拡大にもつながったことを大変感謝しています。

本事業を利用してよかった点はどこですか?

創業期はやるべきことが多く、「何から手をつければいいのか?」と悩むこともありましたが、資金面の支援だけでなく、専門家のアドバイスを受けることで事業の方向性を明確にできました。特に、事業計画の精度を高めるフィードバックや経営戦略の指導は、創業初期の不安を軽減し、スムーズな立ち上げにつながりました。また、東京都の支援を受けることで、企業や大学との信頼関係を築きやすくなったのも大きなメリットです。さらに、創業から9年が経った今、「地域に貢献!東京女性創業者優秀賞」を受賞できたことは大変ありがたく、本事業の支援が事業成長を支えてくれたと実感しています。

現在の事業の状況は?

個人向けの海外インターンシップ事業から始まったタイガーモブですが、現在では日本全国の中高生向け探究学習カリキュラムや修学旅行の企画・運営など、提供対象も内容も大きく広がっています。これにより、これまで届かなかった層にも挑戦の機会を届けられるようになりました。今後はさらに対象を拡大するとともに、「挑戦する人々が集い、刺激し合いながら学び合うサードプレイス」としての機能を強化します。オンラインとオフラインを融合したコミュニティを築き、挑戦者同士が継続的につながり、互いに高め合える環境を創出していきます。

創業をしようとしている方へメッセージをお願いします

「やりたいことがあるなら、まずやってみる」。創業時は迷いや不安がつきものですが、一歩踏み出さなければ、何も始まりません。最初は小さくてもいいので、実際に動きながら試行錯誤を重ねることが大切です。また、一人で抱え込まず、支援制度や仲間を頼ることで、より良い形で前に進むことができます。そして、「経営者とはこうあるべき」という思い込みに縛られず、自分らしいスタイルを模索することも大事です。失敗もすべて学びの一部。大切なのは、挑戦し続けること。「見る前に飛べ!」の精神で、まずは飛び込んでみてください!

企業情報

 

タイガーモブ株式会社

https://tigermov.co.jp/
事例紹介PDF